低音障害型感音性難聴とは?
- 低音障害型感音性難聴とは?
再発時の注意点は? - 昨年、耳が詰まる感じがして受診。低音障害型感音性難聴と診断されました。
今は完治していますが、再発しやすいと聞いて不安です。この病気について詳しく教えてください。 また、再発した場合にはどのようなことに注意したらよいですか?
(25歳/女性/山口県)
- 再発の場合はメニエール病の可能性も。
異変に気づいたら1週間以内に受診を - 低音障害型感音性難聴とは、1つの独立した病名ではなく、低音(音の周波数で低音域)が障害される感音性難聴(音を感じる神経の障害による難聴)という状態を表します。
原因となる病気はさまざまで、代表的なものとして突発性難聴やメニエール病などがあげられます。 - 症状としては、まったく音が聞こえなくなることはなく、耳が詰まる感じや、飛行機や高層ビルのエレベーターに乗ったときのような耳閉感、あるいは「ボーッ」と低いモーター音のような耳鳴りなどさまざまで、めまいを伴うこともあります。原因になっている病気により経過、治療も違ってきます。
- 今は完治しているとのことで、今後くり返すことがなければ突発性難聴と考え、現時点では治療は必要ありません。しかし、再発するようならメニエール病の可能性が高いと思います。メニエール病というとめまいの印象が強いですが、めまいを伴わないケースも少なくありません。原因はまだはっきりしていませんが、頭の骨の中にある内耳を満たしているリンパ液(内リンパ液)がふえて聞こえの神経(有毛細胞)を圧迫し、難聴をおこすといわれています(内リンパ水腫)。
- もし再発したら、なるべく早く耳鼻咽喉科専門医を受診してください。1週間以内がベストですが2週間以内なら十分間に合います。治療は内服薬が主で、ステロイドホルモン剤、利尿剤、ビタミン剤などが中心になります。再発は、寝不足や体調不良、ストレスが引き金になることもあるといわれていますが、はっきりしたことはわかっていません。
- 規則正しい生活を送り、ストレスをためないようにといわれても、忙しい現代人にとってはなかなか難しいことです。患者さんにとってはくり返すことで不安が募り、不快な思いをされるかと思いますが、早期に治療をすれば治る病気です。日常生活ではあまり無理をせず、聞こえが変だなと感じたらすぐに受診するようにしてください。
ジャストヘルス2018年9-10月号 ㈱法研発行