若い人にも多い難聴3 音響外傷(ヘッドホン難聴)
ロックコンサートやクラブの大音量や、携帯音楽プレーヤーのヘッドホン・イヤホンのポリュームを上げて聞くことが原因です。予防は長時間の大音量に気をつけることです。
翌日以降も聞こえが悪い場合は早めに受診を
「音響外傷」は、大きな音を聞いたことが原因で、内耳の蝸牛の有毛細胞が障害されておこる感音難聴です。ロックコンサートやクラブの大音量を聞いたとき、耳が痛いと感じたことはありませんか?その後、音が聞きづらくなって、話し声がつい大きくなったという経験がある人も多いでしょう。これも一過性の音響外傷ですが、難聴の程度が軽ければ、時間がたてば有毛細胞が修復され、元に戻ります。
しかし、大きな音を聞いた直後に強い耳鳴りがして、翌日以降も明らかに聞こえが悪かったり、耳の痛みを伴うような場合は、治療が必要なので、耳鼻咽喉科に受診しましょう。
明らかな大音量でなくても音響外傷をおこすこともあります。ヘッドホン難聴とも呼ばれるもので、毎日のようにヘッドホンやイヤホンで大きめの音を長時間聞いていると、徐々に蝸牛内の有毛細胞が傷つけられていきます。
人混みでヘッドホンを使うので音量を上げがち
ヘッドホン(イヤホンを含む)は電車の中や人混みで使うことが多いので、音量を上げてしまいがちです。また、携帯音楽プレーヤーのバッテリーが長時間もつようになり、つい何時間も聞いてしまいます。ヘッドホンを使用すると、通常は空気に伝わる過程で弱まるはずの音の周波数が、高いまま直接耳に伝わり、内耳にダメージを与えるのです。
コンサートなどでおこる音響外傷と違って、徐々に聞こえが悪くなるので、気づきにくいのですが、耳が詰まった感じがするなど、聞こえがおかしい場合は早めに受診してください。
予防のためのヘッドホン・イヤホンの使い方
連続1時間以上は聞かない
1時間聞いたらヘッドホン・イヤホンをはずし、5分程度は耳を休ませます。
また、体調が悪いときなどはヘッドホン・イヤホンで音楽を聞くのを控えましょう。
ヘッドホン・イヤホンをつけたまま会話ができる音量に
音量を上げすぎないのがポイント。
目安はヘッドホン・イヤホンをつけていても外部の会話が聞こえる程度に音量を調整しましょう。
知っておきたい音響外傷の特徴
- 大きな音を聞いた直後、強い耳鳴りがして聞こえが悪くなる
- 耳の痛みを伴うこともある
- 耳が詰まった感じがするだけのこともある
- 低音だけ、高音だけなど、ある音域だけ聞こえない場合もある
(JUST HEALTH 2013年3~4月号「特集 健康度アップガイド」に掲載)
耳の検査のご案内
耳が聞こえづらくなったり、耳鳴りがする(難聴)ということでお悩みの方は多いかもしれません。
そうした症状は加齢によるものもありますが、場面によってさまざまな症状が出る場合もあります。
耳鳴りや難聴はお薬や体調管理で十分にコントロールできる病気です。
しかし、放っておくとだんだんと聴力が低下し、耳鳴りや難聴が残ってしまうこともあります。
お悩みの方は早めに検査を受け、原因を調べてみましょう。
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