日中と夜は出ず、他に症状もないため、受診はしていません。 (女性・54歳)
たんは、のどから肺へ空気を送る軌道内でつくられます。空気に含まれている細菌やばい菌、ウイルスは、気道の壁にくっついて炎症をおこすことがあります。
この時、気道の壁を覆う粘液や、気道表面の毛細血管から出る白血球が、細菌などの異物を含んだものが、たんです。
菌やウイルスが多いほど炎症は強く、それに伴い、たんの色は濃く、粘着質になります。
菌などが少ない方から、色は無色、白濁、黄、緑です。
たんは気道を正常に保つためのもので、それ自体に問題はありません。重要なのは炎症の原因です。
呼吸は通常、鼻から外気を取り込みます。
鼻呼吸だと、鼻腔内で適度に加湿・加温されるほか、粘液や鼻毛などが細菌やウイルス、ほこりを除去してくれるので炎症は起きにくいです。
一方、のどに直接外気が入り込む口呼吸は、炎症が起きやすくなります。
ただし日中は、飲食などでのどが潤うので、炎症の発生が避けられていることが多いです。
相談者は朝だけたんが出るようなので、就寝中、口呼吸になっているかもしれません。
原因としては、ハウスダストによるアレルギー性鼻炎が考えられます。
たんを放置すると気道の防御機能が弱まり、最悪の場合、肺炎につながる恐れもあります。
一度耳鼻咽喉科を受診され、炎症の原因を特定してみてください。
東京新聞 2019年5月21日
当クリニックでのどのファイバースコープによる検査を受けていただけます。
上にも書きましたように、痰そのものが大きな病気の原因になることは少ないですが、なかなか治らなくて気になっている場合や、痰が気になって咳ばらいをしていたらのどに痛みが出てきたという場合には、一度検査を受けてみるようにしましょう。