三越前の耳鼻咽喉科 日本橋 神田

医療法人社団 大恵会 日本橋大河原クリニック

大きな音で長時間音楽を聴くのは危険
連続使用を避け、耳が痛いと感じない音量で楽しみましょう

日常的にイヤホンで
音楽を聴いています。
最近、会話が聞き取りにくくなったと感じるのは、使い過ぎのせいなのでしょうか

通勤時はもちろん自宅でも、日常的にイヤホンで音楽を聴いています。
長時間使っていると、聞こえにくくなり、ついつい音量も大きくなりがちに。
最近、会話が聞き取りにくいと感じることが多くなったのは、イヤホンの使い過ぎのせいでしょうか?(千葉県・28歳・男性)

大きな音で
長時間音楽を聴くのは危険
連続使用を避け、耳が痛いと感じない音量で楽しみましょう

今は自宅や移動中のどこでも気軽にスマートフォンやヘッドホンステレオで音楽を楽しめるようになり、大切なリラクセーションのアイテムになっています。

お気に入りの音楽でをよい音で、また大きな音で聴くことは自分の世界に入れてストレス解消にもなります。

しかし、大きな音を聞き続けることは難聴になるリスクが隠されています。

「音楽を聴くことで?」と思うかもしれませんが、2015年WHO(世界保健機関)が世界の若者11億人が音響機器の利用などで、深刻な難聴リスクにさらされていると警鐘を鳴らすレポートを発表しました。

大きな音を聞いて、鼓膜が破れるのはマンガの話で、実際は音を感じるセンサー(有毛細胞)が障害を受けて難聴を起こします。

厄介なことに、一度障害を受けた神経細胞は現在の医学でも治すことはできず、聞こえの悪さや耳鳴りが一生残ってしまいます。

そうならないために大切なのは、「大きな音を長時間聞き続けない」ことです。

危険な音の大きさのわかりやすい目安は「耳が痛く感じる大きさ」です。
「痛い」と感じるのは人体がその音量では害になることを教えてくれる大切なアラームです。

その音量を超えず、かつ1時間半を超えない範囲が大切です。1時間ほど聴いたら、数分でよいのでヘッドホンを外して、耳を休ませてください。

また周囲への音漏れの問題はありますが、耳の穴を強めに圧迫するタイプのイヤホンは避けたほうが安全です。正しく使って音楽を楽しみましょう。

笑顔 May 2019 第50巻第5号 保健同人社