Q. たまにめまいが起こります。脳の病気では、と心配
A. まひやしびれがなければ、脳疾患の可能性は低い
めまいが起きると、多くの人が脳疾患や血圧などが原因と考えて、脳神経外科や内科を受診するのではないでしょうか。しかし、めまいの原因の約7割りは、耳です。
耳は聞くだけではなく、体のバランスをとるはたらきも担っています。
バランスを調整するセンサーの役割を果たしているのは、内耳にある三半規管。
ここに何らかの異常が起こり、両耳のセンサーにアンバランスが生じると、平衡感覚が崩れてめまいが起こるのです。
ほかにも、突発性難聴、メニエール病、前庭神経炎など、耳に起因するめまいがありますが、圧倒的に多いのは内耳性のめまいです。
一方、ろれつが回らない、身体にマまひやしびれがあるなど、めまい以外に何らかの神経症状を伴う場合は、脳疾患が原因の可能性が高くなります。
また、朝礼などで倒れるのは、低血圧による起立性調節障害です。
脳神経外科や内科を受診するのが適切ですが、それ以外なら耳鼻科を受診しましょう。
耳鼻科では、専用の器具で耳の中を観察し、眼振と呼ばれる目の異常の有無を確認します。これにより診断がつき、適切な対処ができます。
急にフラフラとしてしまい、バランス感覚に異常がでてしまう、めまい。
多くの人は目に異常があるのかと考えがちですが、実はめまいの原因の70%が耳の障害であるといわれています。
当クリニックではめまいの原因を調べる検査を行っております。
感覚器は一度障害を受けてしまうと、なかなか治りにくいので、めまいでお悩みという方はできるだけ早く検査を受けることをおすすめします。
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かつて、原因のよくわからないめまいを「メニエール症候群」と呼んでいたことがありました。
そのため、「めまい=メニエール」と刷り込まれてしまった感があります。
しかし、メニエール病とはまったく異なる症状であり、メニエール病自体は、さほど多発する病気ではありません。
笑顔 August 2019 第50巻第8号 保健同人社