三越前の耳鼻咽喉科日本橋神田

咽頭がん

咽頭（いんとう）と聞くとどこかな？と思われますが、かんたんに言いますとのどです。

のどは解剖学的には鼻の奥から食堂までにかけての管状の部分を指します。また、のどは上・中・下の3つにそれぞれ分けて区別され、上咽頭、中咽頭、下咽頭と呼ばれています。

咽頭がんはこれらの部位に発生するがんで、部位ごとに異なる症状が現れます。

それらの症状は耳鼻科ではよく相談されるものが多いのですが、それだけちょっとした違和感や症状にがんが潜んでいることがあるということです。

大切なことは、違和感や症状があればなるべく早く耳鼻科を受診すること、またファイバースコープによる検査を受けてみることです。

上咽頭がんでは鼻づまり、鼻血、耳の詰まった感じや難聴といった症状があります。

のどのがんなのに耳にも症状が出ますので意外かもしれませんが、これは耳管開口部をがんが閉塞してしまうことで起きるものです。

中咽頭がんでは食べ物を飲み込むとき（嚥下時）に違和感があります。しみたり、痛みがあったり、飲み込みにくいと感じる場合もあります。

しゃべりにくさが出ることもあり、ひどい場合には激しい痛みや出血、嚥下障害、呼吸困難などに繋がります。

下咽頭がんでは初期症状として食べ物を飲み込む際の違和感があります。がんの進行によりのどと耳への痛みが現れ、嚥下障害、呼吸困難などに繋がります。

いずれの部位もやはりはじめはちょっとした違和感や痛みから始まります。すぐよくなるだろうと油断は禁物です。

咽頭がんの診断には視診、触診を行いますが、見えにくい部分などはファイバースコープを使って隅々まで観察することが大切です。

当院では細いファイバースコープを使用して、鼻からのどの奥を観察します。

ファイバースコープは痛みもなく、また鼻からの診察になりますので嘔吐反射（オエっという感覚）もなく安心して検査を受けていただけます。

がんの治療には外科療法、放射線療法、抗がん剤による化学療法などがあります。

どれか一つということもありますが、複数を合わせて行うこともあります。

手術や専門的な治療が必要な場合には連携先医療機関へとご紹介いたします。

咽頭がんは呼吸、飲み込む、しゃべるなどの生きていく上で非常に重要な機能を担っているのどの病気です。早期発見早期治療が大切ですので、痛みや違和感がある場合には耳鼻科を受診しましょう。