※以下は記事の一部抜粋となります。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴うテレワーク(在宅勤務)や、一人でするジョギング、ウォーキングなどで、ヘッドホンやイヤホンを使う機会が増えた。
そうなると気になるのが、大音量で音楽やラジオを聴き続けることで聞こえが悪くなる「ヘッドホン難聴」だ。
何よりも予防が大事。対策と最新のヘッドホン、イヤホン事情を探った。
この難聴の怖さを「真綿で首を絞めるように、じわじわと悪くなっていく」と表現するのは、日本橋大河原クリニック(東京)の大河原大次院長だ。
「一応治療法はあって、ステロイド薬や血管拡張薬、ビタミンB12製剤などを用いていきますが、これらの薬で効果が出るのは、難聴になりかけた直後、1~2週間までです。」
となると、いかに早く難聴に築くかが鍵となる。
大河原院長が言う気づきのポイントは、「ヘッドホンやイヤホンを使っていて、耳鳴りや耳閉感(耳が詰まった感じ)が1、2日続く」で心あたりがあったらすぐに 耳鼻科を受診する。
耳鳴りと難聴とは一見関係ないように思えるが、実は難聴の一つの症状で、初期に現れやすいそうだ。
また、ヘッドホン難聴は若い人に起こりやすいが、中高年も無関係ではない。
大河原院長は言う。「加齢性の難聴にヘッドホン難聴が重なると、より大きな音で音楽を聴くようになり、病気の進行リスクが高まります。」
何より大事なのは予防、つまり難聴にならないような音楽の聴き方をすることだろう。
「耳が痛い、頭が痛いというのは、その音量は耳にとって危険であるというサインです」(大河原院長)
(週刊朝日 7月24日増大号(7月14日発売)p.154 掲載)